一番最後になってしまいましたが、冒頭に述べたような身辺整理事項はやはり大事な内容です。
(エンディングノートというと、ほとんどはこの部分だけを指します。)
ただ、ここではエンディングノートの位置づけを通常のモノとは変えて考えていますので、最後にあげました。
エンディングノートという言葉自体は、葬儀の返礼品などを扱う名古屋のセキセー株式会社の石橋正次社長が葬儀社向けに「マイ・エンディング 私の準備ノート」という本を1991年に出版して世に広がったと言われています。(石橋社長は宇宙葬などの新しい葬儀の形を今でも提供しています。)
エンディングノートという言葉が広まってきたためか、2011年には娘が実の父親のガン宣告を受けてから亡くなるまでをドキュメンタリー作品として映画『エンディングノート』(砂田麻美監督)が公開されました。(砂田監督は是枝裕和監督の弟子にあたります)
認知症が社会問題化されてきたせいか、徐々にエンディングノートという言葉も浸透しつつあり、エンディングノートに関する本もいくつか出版されています。
元々自分の業務と関係があるためでしょうが、エンディングノートを無料で配布している葬儀社が多かったのですが、最近は市役所等の地方公共団体が住民向けに無料で発行することが増えているようです。理由はわかりませんが。
いくつか手に入れて自分にあったものを探すのもいいかもしれません。
(こちらで作成しているエンディングノートもより充実させたいと思っていますので、こういった 項目を追加しては、というような情報をお知らせいただけると助かります。)
エンディングノートの目的
一般的に、エンディングノートは自分が死んだ後に残された家族が色んなことで困らないようにノートにまとめておき、何かあった場合、家族がそれをみて事後の処理をしやすくするためのものです。
一般的には、エンディングノートには次のような内容が含まれます。
- 自分の記録
- 財産に関すること
- 介護時の対応
- 葬儀に関すること
以降の詳細は「エンディングノートの内容」で記載します。
自分の記録
幼稚園や小・中学校、高校、大学などの履歴
社会人となっての経歴など
趣味やペットのことも書きましょう
財産
負債を含めて財産を一覧で残しましょう。
預貯金、自宅を含めた不動産、株券等の有価証券、車などの動産なども忘れずに!
介護

エンディングノートを書こうという意欲があるうちはいいですが、ある程度年齢が行くと(若年性認知症ということもありますが)認知症の可能性が高くなってきます。体は不自由でも、頭がしっかりしているうちはまだいいのですが、認知症になってからではエンディングノートは書けません。
また、頭はしっかりしていても手が上手く動かなくなったり、目も視力が悪くなってくるとやはりエンディングノートを作るのが難しくなってきます。
認知症についてですが、金融機関が認知症と認識した場合、その人は正常な取引ができないものと判断されて、預金口座は凍結され、一切引き出しができなくなります。
本人が死亡した場合は、一定の条件であれば、預金の引き出しができますが、それよりも厳格です。
そうなると家族でも本人のお金を下ろすことができず、裁判所に後見人の選任手続きをとったりしなければならず、非常に手間暇がかかります。
また、その間、本人に財産があったとしても、介護費用等は家族が用立てなければなりません。
このように認知症になると周りの家族の負担も大変なことから、ある程度年齢が進んだら、元気なうちに後見人制度や家族信託の利用や、遺産分割等のことも考えましょう。
葬儀

葬儀社から出ているエンディングノートには、葬儀の時はどういう葬儀にしてほしいのかという希望を書く欄がありますが、エンディングノートを準備する以上は、葬儀の段取りもできれば自分で事前につけておきましょう。
「こういう形のお葬式をやって欲しい」とエンディングノートに書くのは簡単ですが、それだと残された遺族の経済的・精神的負担が増すだけです。お金のかからない簡素な式を望むだけであれば、その旨エンディングノートに書くだけでもいいでしょうが。
希望する形式の葬儀があるなら、事前にいくつかの葬儀会社に相談して一番自分の希望に合う葬儀ができる会社を選んで、できれば式の内容、流れまで打ち合わせの上、必要な予約金を払うなどしておきましょう。できれば予約票などをもらいましょう。
家族には、事前にどこの葬儀場に手配済か話しておき、万が一の場合、病院や家族が別の葬儀社に手配することなどないように配慮しておきましょう。
そのためにエンディングノートに予約票を添付しておくなどの配慮があると安心かもです。
残された家族の負担を軽減するのがエンディングノートの目的ですので、自分で事前に手配できるものは自分で済ませておきましょう(金銭的な準備も含めて)。
