要望編 その1介護 ②現実的答え

介護
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現実的答え

「実の子供」、「義理の子供」の項でも書いているように、現実問題として、子供の人生の負担に極力ならないように努めるのは当然としても、まったく負担をかけないというのも難しいでしょう。

100%子供に迷惑や負担をかけないで最後まで過ごせる人は、全くといっていいほどいないでしょう。

殆どの人は何らかの形で子供たちに負担をかけているのです。
それは誰でも高齢になればいたしかたないことです。

ただ、子供たちのためにも、その負担をできるだけ減らしましょう、ということです。

どうすればいいか。

言えることは、エンディングに向けて、元気なうちに自分で準備できることは準備しましょう。

それだけです。

どこまでできるかは人それぞれです。

有り余るお金を持っている人と、日々の生活が苦しい人が同じ準備をできるはずがありません。

ただ、金銭的に多くのものを残せる人が、必ずしも家族をはじめとした関係者の方々の心に豊かなものを残せるかは別です。

金銭的には殆ど残せるものはないけれど、みんなの心に「〇〇の子供で良かった」、「〇〇さんと知り合えて良かった」と言えるものが残せれば、それはそれで素晴らしいことじゃないでしょうか。

金銭と精神、どっちが良いかは人によるでしょうが、必ずしもお金が残ればいいわけではないでしょう。

親としての事前準備

基本的には、エンディングノートを事前に準備しようと考える方であれば、子供の負担になるような老後を送らないようにする(したい)ことを目指しているのではと思います。

健康寿命は比較的短い

日本人の寿命は延びていますが、健康なまま必ずしも生涯を終えられるわけではありません。

日本では、平均寿命と健康寿命の差が男女とも大体10年前後あるといわれています。

すなわち、平均寿命を迎える前に10年間程度は健康でない期間があることになります。

この期間が要支援や要介護の期間にあたることになります。

頭や手が動くうちに体が不自由になることを見越して準備を進めましょう。

最後の準備をちゃんとした上で、ピンピンコロリで人生を終えることができたら、人生の終わりを一番いい形で迎えたことになるのではないでしょうか。(少なくとも私はそう思います)

エンディングノートの作成

何を準備すればいいのか・・・・それはエンディングノートを作成することです。

エンディングノートの作成自体が、老後に向けての準備そのものなのです。

ただ、エンディングノートを作っても補えない部分もあります。

エンディングノートがある面自分の想いや希望(要望、願い)を形にするものだとすると、形にする過程において色々検討したり、相談したりした上で、具体的準備に移すことができます。

万が一に備えて自分の希望をエンディングノートという形に表現できても、エンディングノートを読む人の心までは作ることはできません。
これがエンディングノートを作っても補えない1つ目です。

エンディングノートに書いた希望を実現してもらうためには、エンディングノートを読む家族との間に愛情と信頼関係が存在しなければいけません。(できればお金も)

そのためには今からでも必要な種をまき、育てておく必要があります。
(もう遅いという人もいるかもしれませんが、言葉は人間関係を一言で壊すことができる一面、一言
の感謝で人は変わることもできるのです。要はあなたがどうしたいかです)

 

「仏作って魂入れず」という言葉にならないようにしましょう。

良好な人間関係

例えば、だれに介護を頼みたいかということはエンディングノートに書けても、介護を頼まれる人が気持ちよく了解してくれるかどうかは別です。

介護を受ける人との良好な人間関係を作ってきたか、つくれるか、ということです。

今からでも遅くないので介護をして欲しい人と良好なコミュニケーションをとり、自分勝手にならないように努めましょう。
お嫁さんが「お母さん、急に優しくなって気持ち悪いんだけど」という話になっても、それを継続していけば、その優しさを本物と周りは認めてくれるでしょう。
人は、本気で変わる気になれば何歳からでも変われるのです。
多少時間はかかるかもしれませんが。

世間でよくある話として、嫁姑間の仲が良くないにも関わらず、姑が「歳をとってきて日常生活が不安だから」という理由で、息子夫婦との同居を求める、あるいはお嫁さんに『介護はよろしく』と言って、子世帯の夫婦間に思わぬ波風を立てるということがあります。

これを読んでいるあなたはそういうことのないように努めましょう。

因みに、下のような投稿があったので読んでみてください。
何か参考になるものが得られるでしょう。
 読売新聞オンライン 発言小町 「離婚しようと思います」

お金の準備

エンディングノートを作っても補えないもう1つは、残念ながら金銭的な問題です。
エンディングノートを作れば、自動的にお金が作れるといいのですが。

例えば、エンディングノートにお葬式をこういう形にしてほしい、お墓はこういうのがいいと希望を書いても、先立つものがないとどうしようもありません。

事前に自分でお金を用意できていればいいのですが、用意できない人もいるでしょう。

この場合、希望すること自体が、残された子供たちに余計な負担を新たに負わせることになってしまいます。

お葬式にしろ、お墓にしろ、高望みをせずに身の丈にあったものにするのが、一番いいのではないでしょうか。そのためには、自分で用意できる範囲内のものを事前に考えて用意しておきましょう。

お葬式、お墓については、それぞれの項で書きますが、今は昔よりも安くあげる形式が色々誕生してきています。

やるべきこと

では、まずは何をどうすればいいのか。

エンディングノートの作成と並行して、どうすれば介護する側に時間的、金銭的、肉体的、精神的負担をかけないで済むかを事前に考え行動することが必要です。

既に引退されている方にとり、金銭的対応が一番難しいかもしれません。
今あるお金の範囲内でどうやりくりするか考えると同時に、公的サービスの利用を検討してみましょう。

投資等で何とか資産を増やしたいという方もいるでしょうが、いきなり素人がやってうまくいく可能性は極めて低いでしょう。
信用のおける経験者や機関に相談して、堅実な方法を考えた方が最終的にはいい結果が出るのではないでしょうか。
知り合ったばかりの人、知ったばかりの知識で大切な老後のお金を失っては、元も子も失う羽目になっては目も当てられません。
(内容は違いますが、未だに多い「オレオレ詐欺」に引っかかってしまうのと同じかもしれません)
若い時ならまだ許されるかもしれませんが、年をとってからの投資は余裕資金でやらないと取り返しがつかないことになる可能性の方が高いと思いましょう。

介護サービスや介護施設の事前検討も大事なことです。

誰しも最期は自宅で過ごしたいと思うでしょう。

でも、体が動かない、介助が必要となっても、自宅で生活するということは、家族にとっては大きな負担になります。

家族にしても、自宅でのんびり過ごさせてあげたいと思っても、体が動かない、認知症になったとなるとその負担はものすごいことになります。

体がどこまで動かなくなったら(トイレに1人でいけない、お風呂に1人で入れない等)どうするか。在宅ケアか施設の利用か。食事は宅配を利用するか。

認知症がどの段階になったら施設に入るか。

など、自分の体の状況に応じた対応を考えておきましょう。

間違っても、「どんな状況になっても自宅で生活するんだ」という固執は止めましょう。

介護を受ける前に認知症になってしまうと、もう自分では判断できなくなりますから、そうなる前に自分の考えをしっかり整理しておきましょう。

子供にも恵まれ、経済的にも何の心配もなく老後を迎えられると思っている人もいるでしょう。

でも認知症を患ってしまったら・・・・・と考えたらどうでしょう。

本当に安心できますか。

子供の立場

子供の立場からの「介護は実子」ということも、子世帯で比較的時間のある方(基本、妻側)が、「介護は実子」を貫こうとすると、夫婦間に大きな禍根を残すことになるでしょう。

子世帯の立場からすると、夫婦間で双方の親の介護のことを考え、自分たちで時間的、金銭的、体力的にどれだけの負担を負えるのかを検討し、さらに公的支援制度や勤め先の制度もどこまで使えるのか最大限考慮したうえで行動することが必要です。

介護する側の子世帯では、夫婦一方の負担が増えすぎないように、また、今まで育ててもらったことを感謝する気持ちがあるならば、会社での働き方を一時セーブするなどの対応も考える必要があります(基本、夫側)。

夫側は、奥さんの実家のことも自分の親と同じように考慮することも必要です。

兄弟がいるならば、兄弟間の役割分担(含む金銭面)も考えましょう。

いつまでもあると思うな親と金

 

親の生き方を否定するならば別ですが、今の自分があるのが親のおかげだと思えるならば、親があなたのためにいかに生きてきたか、どんな苦労を背負ってきたかを考えましょう。

親孝行できるのも親が生きているうちだけです。

あなたの生き方が問われているのです。

そして、それを今度はあなたの子供が見ているのです。

介護には、世話をしてもらう側にとっても、世話をする側にとっても、「これが正解」というものは永遠にないでしょう。

人がすべて異なっているように、介護もすべて個別事例ですから、こうできれば最高というパターンがあるわけではありません。

介護する側、される側双方が満足して最後のお別れができるのがベストの介護ではないでしょうか。