老後の医療費について

医者と老人 終活
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先日読んだ記事では、女性の70歳以降にかかる生涯医療費は累計1,500万円にのぼると出ていました(保険適用前の10割医療費、厚生労働省統計2018)。

この記事は老後の金銭的不安をあおりるのが1つの目的かな(老後の備えという目的もあるだろうが)と言う気もしますが、実際のところどうなのか自分なりに調べてみました。

できるだけ最新の資料をと思い「令和2(2020)年度 国民医療費の概況」(2022/11/30厚生労働省)を使用しました。

2020年の65歳以上の一人当たり医療費から男女別に計算してみた。

現在65歳の男性の平均余命は約85歳、女性は約90歳とのことなので、その年齢までにかかる医療費総額(保険適用前の10割)は男女とも大体2,000万円となりました。
上の記事よりだいぶ増えていますが、その理由はわかりません。
※平均余命は「簡易生命保険表(2022/7/29厚生労働省)を使用。

66歳超の人の平均余命は65歳と比べても若干前後するだけで殆ど変わりはないと思われますので、このまま使えると思います。

ただ、これは単純に医療費10割を積み上げただけであり、現実に個人が負担する医療費・治療費ではありません。
(実際には加入している健康保険における各人の負担割合1~3割を乗じた金額が各人の負担となります)

上記資料では次のようになっています。
  高齢者の年間医療費総額

男 性女 性
 65~69歳   80万円  68万円
 70~74歳  89万円  75万円
 75歳以上  99万円  84万円
令和2(2020)年度 国民医療費の概況

そこで、これに健康保険の自己負担割合で算出した自己負担額を算出してみると次のようになります。

 男 性  女 性 
 65~69歳 24.0万円20.4万円 自己負担3割で計算 
 70~74歳26.7万円22.5万円    
 75歳以上19.8万円16.8万円 自己負担2割で計算
年間自己負担額

これをさらに月々に直すと、次のようになります。

 男 性   女 性  夫婦合算 
 65~69歳 2.0万円1.7万円3.7万円
 70~74歳2.2万円1.9万円4.1万円
 75歳以上1.7万円1.4万円3.1万円
月間負担額

これが高齢者がかかる平均的な毎月の医療費です。

大半の家庭でも似たような金額になっているのでは。

この金額が高いと思うか低いと思うかは、人それぞれでしょうが、国民全体の平均金額を算出するとこのようになっているのが現実です。

ただ、一方でこれはあくまでも平均であって人によってはお金のかかる持病をお持ちの場合もあるでしょうし、所得(年金を含む)によって健康保険における自己負担割合が異なるでしょうから実際の負担額にはある程度の幅があるでしょう。
※なお、ここで計算に用いた資料はあくまでも保険適用の場合であって、自由診療の医療費・介護施設における費用等は含まれていません。

また、今は健保の自己負担は最高3割までですが、今後の財政悪化により、これが未来永劫続く保証はありません。
昔は会社員の社会保険の自己負担額は1割だったのが段々あがり、今は3割負担で国民健康保険と同じになってしまいました。
ひょっとすると今後4割負担、5割負担ということだってありうるかもしれません。

そういう将来の未知数部分を勘案すると、この金額は将来最低これだけはかかりそうという一つの目安になるのでは。

いたずらに死ぬまでにかかる累計医療費が1千万円だ、2千万円だと考えて不安になるより、現実に毎月いくらぐらいかかるのか、それを賄えるのかを考えた方がいいのではないでしょうか。
日本には高額療養費という制度もあるのだし。

健康に不安があればこれにプラスした金額を心構えとして用意しておきましょう。

本表を作成して思ったのは、自分の年齢における平均医療費を既に越えている、あるいは越えそうな場合は、体力作りや健康に留意した食事など医療費のかからない生活を意識してなんとか平均医療費内で済むように努力をするのも1つの考えかもしれません(取り組むに早いに越したことはありません)。