財産編 その1

財産編
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この財産編では、財産(資産)の他に借金(負債)も明らかにしておきましょう。

所謂エンディングノートで一番肝心な部分がこの財産に関することではないでしょうか。

ここの記載をしっかりすることにより残された家族の後々の苦労が大幅に軽減されることになります。

年金関係

 

 大多数の人にとり老後の収入源は年金となるでしょう。

 そこで年金についての情報はしつかり記録しましょう。

 年金は生きている間、原則本人に支給されるものです(遺族年金を除く)。

 当然、年金は残された家族のためのものではなく、あくまでもご本人のためのものです。

 既に年金を受給されている方の関心は、年金をいかに増やすかではなく、今貰っている年金と蓄えでどうやって生活していくかということでしょう。

 一方、これから年金を受給される方は、将来年金がいくら貰えるかを把握しておくことは賢明なことです。

 公的年金がいくら支給されるのかを大体でも把握できれば、今からでも補完的に私的年金等でなんとか年金を増やす方策を検討できます。

 私が以前読んだ年金の話では、厚生年金に最長最高額で加入したという条件でシミレーションした場合でも月額30万円ちょっとしかもらえないそうです。

 このシミュレーションの条件は、中卒で会社に入り厚生年金に加入。しかも、入社と同時に平均標準報酬月額が最高金額で加入し、65歳の定年までそれを維持するということでした。(現実にはあり得ない条件ですね。これで月30万円ちょっと、年額で400万円いかないということです。)

 現実的には、会社員の夫と専業主婦の妻の夫婦ふたりでもらえるのがこの程度と認識しておいたほうがいいでしょう。

 住宅ローンも家の補修や車の借り換え、病気になった場合の備えなどを勘案する必要があります。

 足りない分をどうするか、まだ間に合うのであれば準備しましょう。

公的年金

 ほとんどの人は、国民年金、厚生年金に加入していることでしょう。

 年金は本人の死亡とともに、給付は停止されます。

 ただし、ご本人が亡くなった後に配偶者の方がいれば、その方に遺族年金が入る可能性があります。正確に記録を残すことにより、迅速に遺族年金が入るかどうかの判断や手続きが可能になります。

 自営業者やフリーランスの方などは、国民年金は支給額が少ない(当然毎月の支払金額も厚生年金に比べ低いですが)ということを理解したうえで、何とか手取りを増やす方法を検討しましょう。

私的年金

 公的年金の他に既に私的年金も活用されている場合は、そのすべての実績を記録しましょう。

 私的年金(任意加入年金)としては、公的な国民年金基金の他に民間の生保会社が運営している個人年金保険などがあります。

 どちらもご本人でないと書類の保管場所や年金記録の正当性の有無などは確認できないので、記録は正確に残しましょう。

 年金を既に受給している人は当然として、まだ年金受給前の方も日本年金機構から送られてくる年金定期便等の記録は手元に残しておきましょう。

 直ぐには年金のことは気にならなくても、後々受給額等を確認できる貴重な資料です。

 60過ぎになって、こんなもんしか貰えないんだ嘆くことのないようにしておきましょう。

預貯金関係

現金といってもいいくらいの価値があるのが預貯金です。

直ぐに使える流動性があると言えば聞こえはいいですが、逆に言えば、直ぐ使ってしまうのが現金です。

預貯金

しばらく使っていない口座も含め、通帳等を記帳のうえ、全ての口座の残高を確認しましょう。

預貯金は日々変動するものです。

 メインとなる口座と普段使っていない口座を明確に切り分けましょう。

 複数口座がメイン的な場合は、可能ならば内容を整理して、「公共料金や日々の生活費用の家計口座」、「個人の私的口座」、「貯蓄用の口座」等に集約しましょう。

 例えば、NHK、CATV、新聞代、保険料がそれぞれ別々の口座から落ちているような場合、面倒でも1つの口座に集約するように手続きをしましょう。

 また、趣味等の支払い使っているものが家計口座から落ちている場合は、基本的には、個人の私的口座から落ちるように変更するなどして口座の性格を明確にしましょう。

 整理を進めたうえで、殆ど使っていない口座で、残高がいくらかあるのであれば、解約するか、ATMで下ろすか、あるいは、少額だから無視してもいい口座として不要口座に分類しましょう。

 不要口座の通帳は、袋等にまとめて保管してたんすの奥深くにしまってしまいましょう。

 これからの時代、金融機関も経営が苦しいことから無駄に口座を持っていると手数料を取られるようになってきています。口座の整理を進めましょう。

 このような整理をしたうえで、現在使っている口座を一覧に記入しましょう。

 (口座の整理ができない場合は、全ての口座を記入しましょう。)

 仮にあなたが今亡くなった場合、残された遺族が口座からお金を引き出そうとしても簡単には引き出せなくなります。

 ※例外的には、ご本人が亡くなった後でも、金融機関が亡くなったことを把握できていなければ、キャッシュカードが手元にあり、暗証番号も分かっていれば、ATMで引き出しはできてしまいます。

 ただし、この場合注意しないといけないのは、死亡後の引落しは他の相続人から疑義が出される可能性がありますので(通帳をみれば一目瞭然)、関係者と事前に相談のうえ引き出しましょう。

 基本的には、金融機関がご本人が亡くなったことを認識した場合、金融機関と預金者個人の委任関係が終了することから預貯金口座は凍結され、引き出しは一切できなくなってしまいます(例外あり)。

 預金を引き出すためには、引き出す人が相続人であること、相続人全員の同意があることなど結構面倒な相続手続きが必要となります。 

 (注)相続人であることを確認するためには、亡くなった方(預金者)の生まれてから死ぬまでの戸籍謄本(本籍地を移動している場合は、全ての移動地の戸籍謄本)を取得し、相続人(配偶者、子供)の確認を金融機関が行います。

    そのうえで相続人全員の戸籍謄本と同意書が必要になります。

 残された家族(=相続人)のこうした手間を省くために、生前のうちに預金口座の整理を進めておきましょう。

 口座がいくつあっても金融機関が同じであれば手続きは原則1回で済みますが、金融機関が異なれば当然金融機関毎に煩雑な手続きが必要になります。

 (注)金融機関が同じであっても支店が異なるとそれぞれ別個に相続手続きを求められる場合があるようです。異なる支店と取引がある場合は、具体的な相続の相談を進める前に手続きは1か所で済むのか、1か所で済ませてくれるのか事前に確認やお願いをしておきましょう。

 数万円の相続手続きも数千万円の相続手続きは同じ手間暇です。

口座振替

 ご本人が亡くなられた後の処理で困ることに口座振替等自動引落先への対応があります。

公共料金

 公共料金の引き落としの場合は、本人が亡くなったからと言ってすぐに止める必要もありませんし、止められても困ることが大半でしょう。

 ただ、預金口座が凍結された場合、当然公共料金の引き落としも止まります。督促状が来てから対応すればいいやという考えもありますが、引落口座の変更をスムーズに行うためにも過去の領収書を取っておくなどの対応をしておくのがいいと思います。

その他の引落し

 公共料金の場合は、先方も慣れているでしょうし、生活に必要な公共財ということで死亡時の対応も柔軟に行ってくれるでしょうが、困るのはそれ以外の引落しです。

 通帳に記載されている明細(適用)を見ても何の引き落としか、何処に連絡していいのか、今後も請求は来るのかがわかりません。

 以前の私の経験では、金融機関に本人が亡くなったことを伝えないまま、通帳上に横文字の引き落としが2か月ほど続いたことがあります。それは有名なプロバイダーの名称であることを知っていたので、ネットでプロバイダーの連絡先を調べ、状況を説明し解約手続きを進めることができました。解約月はまるまる1か月分請求されましたが。

 これが規模が小さな引落先の場合、引落し自体を代行業者に委託していることが結構あります。そうすると口座の記載先(代行業者名)と実際の取引先名が一致しないため、何の引き落としか全くわからないことになります。

 たまにご自分でも通帳をみて何の引き落としかわからない先ってありませんか。

 本人なら自明の理でも、第三者には全くわかりません。

 解約するにしてもどこに連絡していいいか不明ということになります。

 誰が見てもわかるように引落し先については全て記載しましょう。

 仮にもう請求が来ないかもしれないという先も一応書いておけば安心です。

 例えば、有料動画配信サービスやアマゾンのプライム会員なども該当します。

 この場合も、未払いだと督促状が送られてくるので、支払わないといけないということは理解できても、本当に支払う必要があるのかどうかは本人にしかわからないまま支払ってしまう可能性もあります。

 そうした事態を避けるためにも、口座振替をしている先は全て洗い出しておきましょう(何のための引落しで、通帳上の名称と実際の取引業者名)。

ネットバンキング

 私もそうですが、今の時代銀行の窓口に行くことは昔に比べ少なくなっているのではないでしょうか。

 振込みは、ATMで後ろに並んでい待っている人を気にしながらやる必要なないし、手数料は安いしということで、ネットでやった方が利便性は高いですし、現金引き出しはコンビニのATMでできるし。

 そんな便利なネットバンキングですが、通帳は発行されません。キャッシュカードはありますが。

 カードが見つからないと、そもそも家族はあなたがどんな取引をしているかどうかわかりません。

 それこそネットバンキングは一覧に記載しておきましょう。

スマホ決済

 2020年はスマホ決済(PayPay、au Pay、d払いなど)の利用が進んだ年でした。

 スマホ決済の場合、決済金額は無条件ではないですが、それでも数万円から百万円程度までさまざまです。

 スマホ決済の場合、チャージしてしまったお金は銀行口座に払い戻せる場合が多いので、スマホ決済を使う可能性が低くなってきたら、残高をできれば0にするようにしましょう。

 スマホ決済用に多額の残高を入れたままだと、残された家族は処理に困ってしまいます。

 今後も様々なサービスが出てくるでしょうが、使うのは頭の体操の意味でもいいですが、万が一の場合、お金が使えないままになってしまうことを考えておきましょう。