
両方とも小学生のころ家で見た記憶があります(日曜洋画劇場かなんかで)。
皆さんもそうではないでしょうか。
昭和40年代は毎日のように夜9時からどこかのTV局で洋画を放送していたと思います。
何分子供のころで、TVの選択権があるわけでもなく、なんとなく曜日により決まったものを見ていたような気がします。
その代表が土曜日20時からの「8時だよ!全員集合」であり、日曜日の21時からの「日曜洋画劇場」です。
淀川長治の『映画っていいですね』や『サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ』って毎回の決まり文句を今になっても懐かしく思います。
見比べ
そんな半世紀以上前に見た記憶のある『七人の侍』ですが、この5月の連休中にやっているのをたまたま見かけ、『見てみるか』と気楽な気持ちで視聴しました。観たのは「U-NEXT」です。
ストーリーは色んなところで紹介されているのでご存じだと思いますので、省略します。
びっくりしたのは画像の綺麗さでした。
60年以上前の作品なので、画面にキズや汚れがあったり、音が雑音(ノイズ)で消されたりで大したことないだろうと思っていました。
観て、びっくりです。
俗にいう「デジタル(?)リマスター版」というやつなのでしょう。すっごく綺麗です。
(注)調べたところ1975年に完全オリジナル版が東宝から公開されたので、その映像なのでしょう。
ストーリーは皆さんご存知のように「日本の戦国時代を舞台とし、野武士の略奪に悩む百姓に雇われた7人の侍が、身分差による軋轢を乗り越えながら協力して野武士の襲撃から村を守るという物語である。(ウィキペディアより)」というものです。
私の記憶にあるのは、武士が馬に乗って村を襲い、それをサムライと農民が戦うというところぐらいしか覚えていませんでした。
ところが、この作品は真ん中に休憩があるくらいの3時間超の大作でです。
私も2回2日間に分けて見ましたが、改めて凄い映画だと思いました。
『七人の侍』は時間を短縮した版もあるようです。
子供のころTVで観たのはそれかもしれません。
改めてちゃんと見て思ったのは非常にすごい作品だなということです。
公開年の1954年の第15回ヴェネツィア国際映画祭では銀獅子賞を受賞したり、その後も数々の賞を獲得しているというのもうなずけます。
(2018年にBBCが発表した「史上最高の外国語映画ベスト100」では1位に選ばれたそうです。ウィキペディアより)
映画を見た率直な感想は、よく三船敏郎の代表作のひとつと言われていますが、主演は志村喬で三船は場を盛り上げるための端役ではと感じました。
改めて観たこの映画を観た正直な感想です。
私が大きくなって知った三船敏郎は既に大スターでしたが。
その後に見た『荒野の七人』の三船に該当する若者役も同じような印象でした。

勘兵衛役(志村喬)の戦の最中の村中を走り回る姿などは見ていても、「戦い」の緊張感を感じさせるものがあり、観ていて志村喬は本当に凄い人だと思いました。
志村喬自体は色々なドラマにも出ており、顔は当然知っていましたが、昔から名優の評判の高かった人だったんですね。納得です。
一方の黒沢は体が大きい上に動作も大仰で存在感はあるもののという感じでした。
(この辺は映画に詳しい人から見たら、お前がおかしいと言われるのかもしれませんが。感性の違いなのかもしれませんが)

でも今回、この文章を書くにあたり三船敏郎について調べてみたら、デビューして間もないにも関わらず、この時既に大スターの仲間入りをしていたとか、監督の黒澤明も演技指導等は殆どしないで三船に任せていたということを知りました。
それでもなんか腑に落ちず当時の映画ポスターを探して見たら、三船が圧倒的大きさでした。
初公開時の映画ポスターはオークションで80万円以上するようです。

1975年の完全オリジナル版のポスターでも、三船が前面で背後に志村(当初より大きく)が映っていました。

また、出演者表示欄も三船 ⇒ 志村 の順ですから、主演は間違いなく三船ですね。
私の感性が鈍いのかもと不安になります。
『七人の侍』の鑑賞後の満足感のある心地よい状態で引き続きU-NEXTで『荒野の七人』を見ました。
『荒野の七人』は小学生の頃、やはりTVで観たような気はしているのですが、観てびっくりしたのは出てくる人のビッグなこと、ビックなこと。
ユル・ブリンナー、ステーブ・マックイーン、チャールズ・ブロンソン、ロバート・ヴォーン、ジェームズ・コバーンと。
出てくる顔をみただけでわくわくしました。
(映画のストーリーや映画の対比は色んな所で書かれているので、ここでは割愛します。)
映画を観ていたら、確かに『七人の侍』のリメーク版というだけあってシチュエーション自体は日本の農村からアメリカの西部(劇)に変わっていましたが、いたるところで「あ!このシーンあそこの真似だ!」という部分が沢山あり、そういう意味では楽しめました。
今まで『荒野の七人』は西部劇の名作というイメージを強く持っていましたが、作品としては二番煎じというより二級品のように感じました。
冒頭の『荒野の七人』のポスターを見ると、やはり『七人の侍』の重厚さなどは感じないですね。

これは、『七人の侍』と『荒野の七人』を連続してみたからそう感じるのかもしれませんが。
歌でもオリジナル曲を知っていると、後日その曲を別の人がカバーしてヒットしても、「やっぱ、オリジナルの方がいいよな」という感覚に近いかもしれません。
私自身こういう映画の見方をしたことがなかったので、新鮮な感じを持ちました。
新作を観るのとは少し違う旧作を観る楽しみを知ったような気がします。
ついでに、自分自身の勉強のためにこの両映画登場人物の比較を少ししてみようと思いました。
『七人の侍』と『荒野の七人』の『登場人物、主な出演作品一覧(エクセル)』を作ってみました。

それぞれ主演の二人以外は年齢順に並べてみました。
印刷することを前提にしていないので巨大な表になっています。
出典は原則写真を含めウィキペディア(Wikipedia)からです。
| <ウィキペディアからの引用について> ウィキペディアを出典元にするのに懐疑的な人もいると思いますが、ウィキペディアの引用について誤りが許されないところで使用するのは問題があると思います(ビジネスの場や、公式の場での引用等)が、個人的に趣味の領域等真偽のほどが多少誤っていても許される世界で使用する分には、これほど便利は物はないと思います。 今回のこの一覧も作成に多少時間はかかりましたが、これをウィキペディアを使わないで作ったら、最初の志村喬ひとりの実績を調べるだけで相当な時間がかかってしまう上に、ここまの内容もないと思います。 まして外国俳優については、調べること自体が困難な気がします。 どうやってこんなに詳しく調べられるのか不思議です。 ウィキペディアの特性から、多くの映画マニアの方々が自分の持っている知識を持ち寄って完成させたと思われますが。 ウィキペディアに載っている人が以前、自分自身でもはっきり覚えていないようなことも細かく載っていてどうやって調べたのかとびっくりしていました。 |
表を眺めると『七人の侍』は全員30代~40代、一方の『荒野の七人』も30代~40代が中心(ホルスト・ブッフホルツだけが20代)と似たような感じです。
『荒野の七人』が世界的大ヒットになり、登場人物が皆世界的大スターの道を駆け上がっていく(アメリカ映画の供給網、宣伝力が群を抜いて大きいという面もあるのでしょうが)のに対し、『七人の侍』では三船だけ(監督の黒澤も)が世界的スターになったというのは少し寂しい感があります。
表を作っていて初めて知ったのですが、三船敏郎は若いころ志村の家に下宿していたそうです。また、志村が黒澤明の初監督映画に出て以来黒澤映画の常連ということもあり、黒澤-志村-三船の絆は相当強かったのでしょう。
三船の個性が一番大きな要因でしょうが、中国から引き揚げてきて、東宝ニューフェイスで補欠採用されてから、2年後に『酔いどれ天使』で主演以降主演映画ばかりというのは、東宝が労働争議の影響で俳優が大量に辞めてしまったということもあったのでしょうが、黒澤、志村との出会いを含め強運の持ち主だったのでしょう。
『七人の侍』の登場人物は黒澤作品(表の●)の常連さんだったのがよくわかります。
1965年の『赤ひげ』以降は黒澤が監督する映画がなくなったことが一目瞭然です。
色々事情があったようですが、もし黒澤が連面として作品を作り続けることが出来たらきっと凄い作品がたくさんできただろうにと思います。
知らない映画が沢山あります、というより知らない映画の方が圧倒的に多いですが、中にポチポチ知っている映画があるのを見つけると嬉しくも懐かしくもあります。
(題名しか知らない映画もありますが)
人生いろいろ
若くして頭角を現す人もいれば、遅咲きの人もいる。長命の人もいれば短命の人もいます。
(スティーブ・マックイーンは『荒野の七人』の30歳で出演し、50歳で亡くなっています)
細く長く。太く短く。
どちらがいいとは言えません。
それぞれの人生です。
寿命は選択できません。
でも彼らは、この世に映画あるいはテレビという形で後世に伝わる形あるものを残せているという点で多くの人とは違います。
多くの人は、家族でさえ2世代もすれば忘れられてしまうでしょう。
スティーブ・マックイーンは実質20年に満たない俳優人生でこれだけ世に知られています。
今回の映画を観て感じたこと
今回の映画を観て一番感じたのは、志村喬という名優がいたということと、監督の黒澤の凄さ、『七人の侍』という映画のすばらしさを実感できたことです。
話は変わりますが、子供の頃「スティーブ・マックイーンはかっこいいなぁ」と思ってました。
今でも『大脱走』でバイクで柵を飛び越えるシーン(今回このシーンはスタントマンだったと知りましたが)や『パピヨン』で脱出不可能と言われる刑務所を不屈の魂で脱出する光景を思い出すことが出来ます。
『パピヨン』は友達と映画館で観ましたが、表から計算すると当時私は15歳ですが、日本での公開を考えると多分高校1年生の時に観たんだと思います。
一覧を作ってみて感じたことはですが、単なる映画の一覧であってもそこに自分の人生の一端を思い出すことができました。
おそらく今回の機会がなければ「あぁ、パピヨンって高校1年の時に確か水野、中野と見に行ったんだけっな」と当時仲の良かった友達を思い出すこともなかったと思います。
今のこのコロナ禍で外出や飲みに出歩くなど大幅に制限されているなか、比較的時間が自由に使えるようになった人も多いと思います。
また、高齢者で元々外に出歩くことがあまりできない人などもいると思います。
この機会に昔観た映画、観たかった映画を観て昔を思い出すのもいいかもしれません。
明日への活力が湧くかもしれませんよ。
黒澤映画の視聴について
一覧表をアップするに際し、念のため表中の黒澤作品がU-NEXTで観られるかどうちょっと調べてみました。
映画名の頭に●(黒マル)があるのが黒澤作品ですが、そのうち赤マルになっているのが、現在U-NEXTで観られる作品でした。
ただし、期限が2021年12月4日23:59まで配信だそうですので、黒澤作品を観たい方はU-NEXTに加入して(お試し加入は31日間見放題)、観るだけ見たら退会するというのもいいかもしれません。

